12月のネルの小屋
家族と出会ったころの
わたしです。
近頃寒くなってきたので、日中はリビングのカーペットでお昼寝をすることが多くなりました。 とくに、朝ママについて寝室からリビングに移動した後、朝日を浴びながら何度も寝返りをうつのは最高です。
それでは、前回のつづきをおはなししましょう。
とりあえず、2〜3日はこの家にいることが決まったわたしは、うちのなかを一通りまわってみて、こわい動物がいないことをたしかめてから、ダイニングのカーペットの角にじっとうずくまりました。 タカシが近くで見ているのが何となく気になりますが、冒険をして疲れてしまったためでしょうか、牛乳をのんで安心したせいでしょうか、だんだん眠くなってきました。
うとうとしていると、パパの声で「早く行かないと今年は見られないよ。」と言っているのが聞こえます。 はなしの様子から、前に住んでいた阿佐ヶ谷の七夕を見に行く予定だったことがわかりました。 戸締まりをすると、まもなく三人で連れだって出ていってしまいました。
みんながいなくなった後、しばらく寝ていたのですが、だんだん退屈してしまいテーブルの上や押入の中など探検してひまをつぶしていました。 夕方になってもみんな帰ってこないので、遊び相手もなくだんだんつまらなくなってきました。 それに、これはとても大切なことのなのですが、緊張がほぐれたせいか、なんとなくおしっこがしたい気もちになってきました。 「早くみんな帰ってこないかな!」と考えていると、ますますおしっこをしたくなってしまいます。 トイレをさがしてみたのですが、どこにもみあたりません。
わたしは、だんだんはらがたってきました。 わたしは、今日初めてこのうちにきたのですから、お客様のはずです。 それなのに、お客様のわたしをほおっておいて、みんなで外出して何時間も帰ってこないのは、大変に失礼だとおもいました。 わたしは、いつも自分の匂いのするトイレを使っています。 トイレには、ふさわしい場所、自分の匂い、それなりの雰囲気というものが必要です。 わたしの寝ていた横に、牛乳の器とブリキの缶があって、缶のなかに新聞紙を刻んだのがはいっていましたが、これは決してトイレとはいえません。 さんざんに迷ったあげく、仕方がないので、お風呂場の前の足ふきマットで用を足すことにしました。
そのころ、ママ、パパ、タカシの三人は、阿佐ヶ谷のパールセンターで七夕を見おわってスーパーマーケットで買い物をしていました。 聞くところによると、わたしに牛乳ばかり飲ませるわけにはいかないと思い、キャットフードを買うことにしたそうです。 「キャネット」という乾燥フードを見つけて「タウリン配合」と書いてあるのが気に入ったパパは、箱入りと2倍以上ある大袋入りの値段があまりかわらないのを見て、大袋入りをかいました。 ママは、「すぐ放す子猫にそんなおおきなのを買ってどうすの?」とおどろいたとのことですが、パパは「タウリンが猫にはいいらしいし、割安だよ!」と言ったそうです。
つづく
わたしの近影です。
しゅろの葉っぱをたべようと
しているところを、ママに見つ
かってしまいました。
この棕櫚はパパが大切にして
いるので、あとですっごく怒ら
れてしまいました。
今月メイルをいただいたかたがた。
Y.Fujiiさん、K.Kojimaさん、N.Okudaさん、皆川さん、にゃーにゃさん、クプカさん
ありがとうございました。
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