(池ノ平 1)
ホテルの駐車場に着くと、車にわたしだけを残してみんな出ていってしまいました。 ホテルにチェックインするためです。 しばらくしてママとパパが戻ってくると、わたしを抱き上げて手提げ袋の中に押し込もうとします。 わたしは自分から手提げ袋に入って昼寝をすることもありますが、昼寝の気分でもないのに窮屈な目に遭うのはごめんです。 何度も抵抗したのですがママも一生懸命なので根負けして、一応袋に入ってやりました。 ママは袋を持つと、わたしが顔を出さないように口を押さえながらホテルに向かいます。 パパは先導役です。 わたしは、初めて来るところですから景色を見ようと頭を上げるのですが、ママに押さえ付けられてしまいます。 仕方がないのでじっとしていると、ママは自動ドアを入りフロントの前をぬけて長い廊下を歩きます。 途中にお店があったり、ゲームセンターがあったりしていろんな音が聞こえます。 顔を出して様子を見ようとすると、ママの「ネルさんもう少しじっとしていてね! !」という緊張したひそひそ声が聞こえ、頭を抑えられます。 もう良いかな?と思って外を見ようとすると、「いい子だからお部屋に着くまでじっとしていてね! !」といって押さえられます。 ホテルの人と廊下ですれ違うとママの手にグッと力が入ります。 わたしは、最初から袋になんか入る気はありませんでしたから、とても御機嫌がわるくなって袋のなかでおもいっきり足を伸ばして抵抗しましました。 着いたのは、もう少しで大声で泣いて袋から出して貰おうしたところです。
部屋の隅々まで匂いを嗅いでみたところ心配はないようですが、なんと言ってもよその家は落ちつきません。 探検が終わってどこか寝転がるいい場所をさがしているときに、ホテルの人が用事を聞きにました。ドアがノックされると急に緊張が走って、パパがわたしを捕まえようとします。 私は、また袋に入れられてはたまりませんから部屋の中を一生懸命に逃げます。 ママは扉のところでポットを受け取ってホテルの人が部屋に入らないようにします。
夏も涼しいのでクーラーをおいていないのが自慢の池の平のホテルで、私が逃げ出さないようにと翌朝まで窓が閉めたため、みんなで寝苦しい一夜を過ごすことになりました。
ご近所のヤナセさんの家に、子猫のロビがもらわれてきました。
まだ生まれて1月ほどの子猫ですが、目の大きなかわいい雌猫です。