4 月 の ネ ル 物 語

 4月になるとさすがに暖かくなりました。 3月末からの陽気で桜も一挙に開き始めて います。(蕨のお花見ポイントは「トピックス」をご覧ください。)
 梅に始まり、モクレン、雪柳、レンギョウ、桜、ツツジ・・・・と春の花が咲き誇る季節となりました。  昨年4月23日、花の季節が終わる頃にネルが去ってしまいましたが、早いものでまもなく1年がたとうとしています。

 話は変わりますが、日曜日に図書館で丸谷才一さんの「猫だって夢を見る」というエッセイ集を見つけました。
 猫だって夢を見る!これは当然です。 いびきもかきますし、寝言も言います。 夢を見て思わず手を動かしたりもします。 寝返りも打ちます。  つまり猫は人間と同じなのです。 「猫だって夢を見る」よりは「猫も夢を見る」さらには「猫は夢を見る」と言っていただけると、猫たちもご機嫌かもしれません。
なにしろ、夜更かししている人間より、たくさん寝てたくさん夢を見ているのが猫なのですから。

今月もネルの遺稿を掲載します。 読んでやってください。

(ネルはあけぼの)
 春は良い季節です。 暑くなく適度な陽光が降り注ぎ、風は香りまで柔らかく、ママの後を追ってコンクリートのベランダに出ても足が冷たくありません。  冬だって部屋の中にいるかぎり、ストーブやホットカーペットがあれば悪い季節ではないのですが、わが家の場合は夜になると暖房を止められてしまうのでいけません。
 仕方がないので、家族が眠った頃を見計らってそっと布団の上に登ります。 お布団は柔らか すぎるので、足踏みをして均してから横になります。  寝返りを打たれたりすると折角いい気持ちで寝ているところを起こされてしまうので、ベッドの端の方を選びます。 子供のベッドは禁物です。  たとえ暖かさを犠牲にしても、蹴飛ばされる危険の少ない大人の布団を選ぶべきです。
   わたしは体重がたった3キロしかありませんから、上に乗ったところで家族にとっては軽いものです。 人間は体重が何十キロもあるのですから、ガリバーの上に小人が乗った様なものだと思うのです。 それでも、わたしが胸の上に寝ていると「昨夜はネルに乗られて重くて寝苦しかった」などと言われるので、たいていは遠慮して足の方に寝ることにします。
 「春眠暁を覚えず」などと言って寝穢く眠る人間に比べると、わたしたちネコの睡眠はとても浅くて繊細です。 そのため、夜中に目が覚めることがよくあります。 こんな時に一人で起きていると、いろんな事が想像されて何となく不安になります。 たとえば、「ママに万一のことがあったら私の朝ご飯はどうなるのだろうか?」とかです。 寝息が小さかったり聞こえなかったりすると、ますます不安になります。 そんなときは心配ですから、家族の鼻に私の鼻を近づけて、生きているのを確かめて見ます。 もしも息をしていなかったら、みんなを起こして救急車を呼ばなくてはいけないからです。 もっと心配なときは鼻を付けて確かめます。 わたしの鼻は湿っていますから少し冷たいかも知れませんが、これは仕方のないことです。
 こんな時、家族が目を覚ますことがあります。 私がそっとママの上に行って息をしているかどうか確かめようとしたら、突然ママが目を覚ますのです。 こんな事はたいてい明け方に起こります。 すると「ネルのおかげで早く目が覚めてしまった!」などと言われます。 パパにいたっては、普段いびきをかいてぐっすり寝ているくせに、私を布団から振り落としたりすることもあります。  そして「ネルが胸の上に登って寝苦しかった!」「ネルのおかげで息ができなくなる夢を見た!」「もっと寝ていられたのにネルのおかげで損をした!」などと言います。
 そもそも最近の人間たちが夜遅くまで起きているからいけないと思います。 テレビを遅くまで見たり、夜中までパソコンなんかをいじったりしないで、もっと早く寝れば早起きは三文の得にきまっているのです。
 わたしは、午前中寝て、午後もたくさん寝て、夜もそれなりに寝て、新鮮な朝御飯を食べるのが大好きです。


最近、茶虎ねこの80円切手が出ました。 ねこ、犬、インコ、ウサギ、パンジーの5枚一組でそのまま台紙からはがして貼れるシールになっています。

下の切手は、これまでに発行されたネコの切手です。(他にもあるかと思いますが・・・)




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