7 月 の ネ ル 物 語

 梅雨の末期ともなると蒸し暑い日が続きます。 ネルがわが家の家族になったのは13年前、7月の暑い日でした。(最初のネルの小屋参照)
 この頃になると、春に生まれた小鳥などの生き物が巣立つのを見かけます。 先日、わが家の近くに迷子?の子猫(ヒマラヤンの雑種)がいました。 この子は、しばらく女の子達に面倒を見てもらっていたのですが、幸いにご近所に拾われたようです。 近頃は、増えたカラスが子猫や弱った猫を襲ったりしますので、わが家で助けなければいけないかな?と思ったのですが、良い人に貰われて本当に幸いでした。


今月もネルの遺稿を掲載します。 読んでやってください。


(猫派とイヌ派)
 わが家の家族の中にも猫派と犬派がいます。 猫族のわたしはもちろん猫派です。 ママも猫派です。 パパは猫派(隠れイヌ派の疑いあり?)です。 ところが何と!タカシはイヌ派なのです。
 タカシは街でイヌを見かけると、シェパードでも近づいていって撫でてやったり抱いてやったりします。 噛まれたら大変だと思うのですが、イヌの方も良くわかっていて不思議となつくのです。 タカシの友人の家の大きなゴールデンレトリーパーなどは、飼い主同様に感じているらしいのです。 わたしには、タカシが家に帰ってきた時、犬の匂いでそのことがすぐにわかります。
 以前、ある銀行のコマーシャルをテレビでやっていましたが、犬が飼い主の肩に前足を載せ、後ろ足で座席に立って一緒にバイクに乗るのです。 タカシはそれを見るなり「犬はいいね。 バイクに乗るんだよ!」「猫はあんな事できないよ。バカだからな!」と吐き捨てるように言いました。 更に、イヌを飼いたい何ゾと言い出し、「ネルが十円ハゲになるからダメ」と言われるや、わたしを邪険に扱うのです。 わたしは「小さい頃から面倒を見てやったのになんだこいつは!」と思いました。 イヌなんか、粗野で、凶暴で、卑屈でけしからん奴に決まっています。 私たち猫は世の中のことは何でも分かっていて何でもできるのですが、プライドがあるので人前でそぶりを見せないだけなのです。 そもそも、紀元前何千年ものエジプト時代から宮殿にいた猫と、狼なんぞの子孫のイヌとでは教養と品格が違うのです。
 今年(注,1997年)、そんなイヌ好きのタカシが学校の帰り道、突然飛び出したイヌに指を噛まれました。 中指を牙で噛まれたため、相当の出血があったうえ爪が変形してしまいました。 すぐに病院で診て貰いましたが、通行人に突然飛びかかって噛みつくようなイヌなので狂犬病を心配したものです。
イヌは雑種の小型犬で、出会い頭でびっくりして噛みついたみたいですが、こんな事があってからタカシもむやみにイヌを信じてはいけないと分かったみたいで、飼いたいなどと(あまり)言わなくなりました。


ネルの家族おすすめの本

6月20日、カヌー犬・ガク写真集「しあわせな日々」(野田知佑 著)が小学館から発行されました。
 タカシの好きな、椎名誠さんの本「岳物語」に出てくる犬です。


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