ネルにとって、なんと言っても一番大切なのは、いつも一緒にいてご飯をくれるママでした。
「げんこつ山の狸さん」をさせられていやがったり、甘えてかみついたりなどもしていましたが、ママが外出の支度を始めるとまとわりついてじゃまをし、一人で残されないように抵抗するのが常でした。
次にえらいのがパパでした、パパはよくネルをしかったり叩いたりもしていましたがネルにとって逆らえない存在でした。そのうえ本質的に甘いので、煙たい半分つき合うメリットもあってか滅多にかみついたりなどということはしませんでした。
ネルは、自分が家族の最下位ということを認めませんでした。その一方、自分より弱いものは守り、助けようとしていました。
わが家の一員となって半年ほどした頃、成長の早い猫のネルは一時的に一つ年上のタカシよりも生物として完成度の高いときがありました。
この頃から数年間、ネルは自分をタカシの上位において悪戯をしたタカシが叱られると間に割って入る行動をしたり、おろおろと回りを歩いて悲しそうななき声を出していました。
また、タカシが一心にジグソーパズルやトランプで遊んでいる時など、突然やってきてはゲームの上に座り込んで動こうとしないことがありました。ゲームにタカシを取られるような気がしていたのではないかと想像しています。タカシがネルを力ずくでどけようとすると、かみついたり最後には尾でゲームを散らかして遊べないようにして意地をはっていました。
最近ではたまに陣取り合戦で意地をみせるものの、大きくなったタカシに気持ちよさそうになでられて家族の最下位を認めはじめたようにみえました。
逝ってしまう3日前、好きだった高い場所に移したときに写したのがネルの最後の写真となりました。
亡くなる10日前、家族と一緒の記念写真をとりました。
今後の予定は決めかねておりますが、ネルの遺稿がありますのでこれらを掲載しようかとも思案しています。よろしかったら、またアクセスしてみてください。
向 山
ママの追悼の辞