6 月 の ネ ル 物 語


 噛み癖のある猫がいることをishiharaさんと言う方のホームページで知り、パスカルもそうだ!と思いました。 我が家の腕白坊主パスカルは、わりと聞き分けの良かったネルと違って相変わらずのきかんぼうですが、噛み癖は生死の境をさまよった幼児期のトラウマでしょうか・・・人間と同じく猫も個性のある生き物です。
 外ではクイーンエリザベス種か?雨に洗われた初夏のバラが、みずみずしく咲いていました。

 今月もネルの遺稿を掲載します。 読んでやってください。


(暴論)

わたしのトイレは、ママかパパが毎日掃除して砂を足すことになっています。
ほとんどの場合はママがやってくれるのですが、休日やママが忙しいときはパパが代わって掃除をします。 そんなとき、パパは「ネルのヤツはトイレを人に掃除させて当たり前と思っていやがるのかな?」などと不満そうに言います。 虫の居所が悪いときは「猫なんて三食午寝付きで飼い慣らされてしまっているから、山の中に放したら可哀想だしなあ・・・」とか「ネルなんてただで拾ってきたネコなのにトイレの世話まで人にやらせて・・・」とか「捨てるわけにはいかないし・・・」などど、トイレを掃除するのが嫌でわたしを捨てようとまで考える始末です。
これはまさに暴論です!!!
わたしは家から出られないのですから、トイレの掃除は飼い主の当然の義務です。 そんな当たり前なことに不満を言うなんて論外です。 わたしは家族に「やすらぎ」を与えてやっているわけで、何もせずに三食午寝付きではありません。 わたしたち猫は「役に立つ動物」なのです。 人間も物質のみにとらわれず、精神文化をみなおすべきではないでしょうか?
 そもそも、最初は猫が望んで人に飼われたわけではないと思うのです。 わたしたちネコはネズミをとって、食料の番をし、人間をペストなどの病気から守り、さらには残飯を片づけて現代まで続くゴミ問題の解決にも役に立ってきたのです。 そのうえビロードのような毛並みを持ち、人間に心の安らぎまで与える事ができる有り難い動物は他にありません。 また、犬どもみたいに滅多やたらに吠えたり騒いだりもしません。 だからこそ、わたしたちは古代エジプトから人間に連れられ世界中に移住したのです。 ネコは昔、とんでもなく高貴な動物であったに違いありません。
 たかだかトイレの掃除くらいで不満を言うべきではありません。 まして、わたしのことを「ただで拾ってきたネコ」だなんていうとはとんでもないことです。 こんな極東の辺境の庶民がネコを飼うことが出来るなんて、古代の人が聞いたらびっくりするはずです。
この際、ママにも言っておきたいと思います。 ママは肩がこると「ネルでも役に立てばいいけど教えても肩もみ出来そうにないなあ・・・・」と発言することがありますが、猫は繊細に生まれついた高等動物なのですから、そんなことを望むこと自体が間違いです!!! ママのこの発言も、やはり暴言と言うべきでしょう。 慎むべきです。



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