7 月 の ネ ル 物 語


 今年の7月は、真夏を思わせる晴天の一日ではじまりました。
例年、梅雨明け頃から秋にかけて蕨駅西口駐輪場に咲く、濃い紫の朝顔の花が、今年はすでにたくさん開いています。 種子が落ちて毎年繰り返し咲くのか、いつも同じ色の小振りな花です。
 この季節になると、子猫のネルが我が家の家族になった頃を思い出します。


 今月もネルの遺稿を掲載します。 読んでやってください。


(ネルは短足?)
 ある日、私が毛並みを整えているのを見ていたパパが、「ネルの足は短いなあ・・・」と言いました。 私の顔が足の先まで届くので、足が短いと思ったようです。
 私はきれい好きですから手の先から足の先まで手入れを怠らないのですが、足まで舌が届くのは体が柔軟だからで、足が不当に短いわけではありません!
 一見どうでも良いことみたいですが、日頃の言動からみてパパは否定的な意味で私の足が短いと思ったにきまっていますから、一言いっておかなくてはなりません。
 そもそも 足の長さの問題は、人間がいびつな体型をしているのであって、多くの陸上動物は手と足の長さにあまり差がありません。 足が極端に長いのは、人間以外ではカンガルー(その仲間で蕨市のマスコットのワラビーも)、ネズミなどのげっ歯類ぐらいなものです。 哺乳類の主流は、四本の足がバランス良く整っている美しい体型なのです。 ヘビが大嫌いなパパは、地上に生きる動物のスタンダードとはいったいどのような体型なのか、良く考えてみるべきです。

 さて、私たち猫は、狙う獲物に低い姿勢でそっと近づきます。  猫族は誇り高い狩猟民族なので、戦いに適した優れた体型になっているのです。
人間も「ほふく前進」などといって腹這いで進んだりすることがあるようですが、わたしたちの真似ではないでしょうか?  足の長さが災いして、ぶざまで見ちゃいられません。

 わたしと同族のライオンやチータを見ればわかるように、狩人はいざと言うときの瞬発力がものをいうので、お昼寝も大切な日課なのです。
 暑い夏には、冷たい板張りの廊下の風の良く通る場所を探して、ゆっくりとお昼寝をすることにしましょう。 



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