5月の後半から梅雨みたいな天気が続きましたが、関東地方の6月はじめは晴天です。
先月、「蕨市民新聞」でネルの小屋を紹介して頂くことができました。
今月もネルの遺稿を掲載します。 読んでやってください。
(図書館)
我が家が市立図書館から歩いて5分くらいの近所なのは前に書きました。 図書館の近くに住居を選んだのは、きっと本代を浮かせるためだと思います。 ケチな家族の考えることですから多分あたりです。 新刊書の購入希望や所蔵していない本の取り寄せを依頼したりして、図書館の人からはきっと嫌われているに違いありません。
家族が図書館を多用することは、わたしにとって一見何の問題も無いみたいですが、困ることもあります。
家族は、しょっちゅう図書館の本を借りてきます。 3人が入れ替わり立ち替わりですから、結構たくさんです。 それで、家にはいつも何かしら図書館の本があるのですが、わたしが本に乗ったりすると「ネルさん、それは図書館の本だから触らないでネ!」と叱られます。 テーブルの上に読みかけの本が開いて置かれているとき、上を歩こうとするとスッゴクしかられます。 叩かれたりもします。 爪研ぎをしたわけでもないのに、自分の家の中の物に少し触ったり登ったりしただけで怒られたのではたまりません。
わたしは家族の一員なのですから、みんなと同じに扱ってほしいものです。
ページに足跡がついて汚れたり、傷をつけて図書館の人にしかられるのがイヤなら、読みかけの本はちゃんとページを閉じておけばいいのです。 自分がわるいのを他人のせいにするのはいけないと思います。 借りた物は自分で大切にしましょう!
こうして浮いた本代はどうなっているのでしょうか? わたしにドライフードでなく、いつも缶詰を食べさせてくれても良いと思います。
さて、ある土曜日もパパが本を借りてきました。 パパはたいてい土曜日に図書館へ行くのです。
それとなく名前を見ると「清貧の思想」と書いてありました。
題名からして何となく貧乏くさい本だなと思いましたが、家族の会話を聞くと慎ましく環境を大切にして清く貧しく美しく生きるのが良いという、まるで出家して世捨て人になるみたいな内容です。 昔の日本人は物を無駄にせず自然と調和して生きていたとのことなのだそうです。
単純な性格が災いして、かなり共感したパパは、出家して山寺に隠って歌詠みになりそうな勢いです。 良寛さんを尊敬するんなら、筍なんか食べないで家の中に生やせば良いのです。(そういえば我が家には唐竹の鉢植えがありましたっけ)
そんな本を読むから「昔の猫はネコメシを喜んで食べていた・・」とか「世界には栄養失調や、お腹を空かせて眠りに着く子供達が大勢いて、たかが猫に毎日缶詰を食べさせるなんてとんでもない!」ということになってしまうのです。
昔の猫は加工食品ではなくて、活きの良いお魚にありついていたはずです。 聞くところでは、ドライフードには腎臓に悪い物質が入っていて、猫の寿命を縮めるとも言います。 猫が少し贅沢をしても環境に影響しないと思います。 だって、猫は体重や食事の量が人間の10分の1ほどしかありません。 人間にくらべ、猫族は人口が少ないです。
パパみたいに、ケチなことばかり考えているから世の中が不景気になるのではないでしょうか?
次の頁
ネルの小屋ばっくなんばー
今月のネル物語
ひょうしのページ