今月初旬、ネルと過ごした蕨の家の引き渡しを行いました。銀行で手続きのため椅子に座ろうと置いたコートに、ネルの茶色の毛がついています。こんなところにネルの毛が・・・と手に取ろうとすると、それは光の加減で茶色に見えるほつれた糸に変わってしまいました。
今月もネルの遺稿を掲載します。 読んでやってください。
(ルネのネル)
ある日、我が家に近所の子供達数名がやってきました。皆、タカシよりも小さな女の子で、なんと目的はわたしを見ることだそうです。
みんな自宅に動物がいなくてネコを触ってみたいのだそうですが、はっきり言ってわたしは迷惑です。わたしは見せ物ではありません。お捻りの代わりに蒲鉾をもらえるとか、缶詰の一つでも開けてくれるとか、何か良いことでもあれば別ですが・・
そもそも子供はすきじゃあないのです。ガキどもが何をするかわからない存在であることはタカシとつき合っていればわかります。タカシの友だちの女の子は、わたしのシッポを持って振り回しました。
そうは言っても、すでにママがOKしてしまったので仕方がありません。
会見場所は、相手が子供ということでタカシの部屋が選ばれました。(扉をしめてしまうとわたしが逃げられないというのが本当の理由らしい)日頃動物に馴れていない子供達は最初、すこし離れてわたしを囲むように見ていました。見知らぬ人間から取りかこまれたわたしは背中をまるめていました。年長の子が『名前はなんていうの?』と質問しました。家族が「ネルさんていうんだよ」と答えると、一人が我が家のあるマンションの名前を言って『ルネのネコだからネルっていうの?』と聞きました。「わたしゃここに来る前からネルっていうんだよ!」と言ってやりたいところでしたが、ガキに対して大人げないと黙っていると、家族が絵本の主人公と同じ名前だと説明しました。
一番大きな子が、少し慣れたのか恐る恐る手をだしました。相手がびくついていると、わたしまでが不安になってしまいますが、家族に押さえられているので逃げるわけにもいきません。仕方なくじっとしていると、女の子はそっと触れるだけです。撫でるのもすごくやさしくです。タカシやその友だちのガキどもとは大違いです。わたしは、パパやママに荒く撫でられるのとも違うので少し安心しました。なかには、最後までわたしをじっとみるだけで、撫でたくても怖くて触れることのできないまま帰る子もいましたが、みんなそれなり満足したようです。
話を聞いていると、動物を飼いたくても毛で家が汚れると親が認めてくれないとか・・・。わたしには厄日でしたが、動物に触れ経験のほとんどない子供達に社会貢献ができました。良いことをしたのですから、当然今夜は特別なご馳走に決まっています!(?) 子供達を招いたママを許してあげることにしましょう。
ペットを飼いたいと思っている方へ
毎週土曜・日曜、ボランティアによりJR京浜東北線浦和駅西口の浦和伊勢丹前で、午後3時から6時まで(雨天中止)浦和ペット里親会が行われています。 訪ねてみてはいかがでしょうか?(連絡先0492-64-6614 上杉さん)
九州でも福岡市天神町の「天神コア」前で雨降り以外は毎日ペット里親会が行われています。
写真の犬達は迷子か捨てられた犬ですが、みんな野犬として処分されるところを助けられたのだそうです。
どなたか飼い主になってくれる方がいると良いのですが・・・・・
ネルの小屋ばっくなんばー
ひょうしのページ