2000年7月のパスカルのおもちゃばこ
こんにちは、パスカルです。
梅雨に入ったって家の人たちが言っていたけど、そのせいかな、空気がどんよりと重くなって、体も何となくだるくって、ついでにまぶたも重くなって、僕は、「春眠」の時期を過ぎてもまだ眠い時間が多いままだよ。
家の人たちは、「今日は暑い」とか、「風が通って涼しいね」とか言いながら、半袖のものを着たり、上にもう一枚着たりしているけど、僕は、一年中同じ格好(!!) − って言ったらヘンかな − だから、体温調節のために、涼しいところ、快適なところを求めて、遊牧の民のように一日の中でも家の中を転々とするんだ。
先月、「でんでんちゃん」と呼ばれているカタツムリという生き物が家の中にいるってところまで書いたっけね。
あの頃は、「もう外に放してやってもいい時期だね」とか、かあさま、パパ、兄ちゃんが話していたんだけど、そいつはまだ家の中に存在しているんだ。
かあさまが時々、シュッシュッと水をスプレーしてやって、レタスをやったりしているのを僕は見ているからね。 かあさまがなぜ、そいつを外から連れてきたのか不明だったけど、この頃になって、やっと謎が解けて来た気がする。
実は、かあさまは、工藤直子って人の「てつがくのライオン」という詩を好きなんだ。
僕が前足を重ねてそろえて腹ばいになってると、「パスカルは、てつがくのライオンずわりをするんだネ」と言って喜んでたからね。 本箱からその本を探して読んでみたら「きょうライオンは『てつがくてき』になろうと思った。哲学というのは坐り方から工夫した方が良いと思われるので、尾を右にまるめて腹ばいになり、前肢を重ねてそろえた」という箇所があったよ。
僕がそんなすわり方をしても偶然の一致なのに、かあさまは、同じく工藤直子って人の「友だちは緑の匂い」に出てくる、”カタツムリをおでこにのせて歩くライオン”ってのを僕にさせたかったのかもしれない。
というわけで、「でんでん」はまだ家にいそうな気配・・・・・かあさまが放すのを淋しがってるみたいで・・・・・やだな。
では又、来月ね。
つぎのぺーじ
バックナンバー
ひょうしのページ